「MobileMeを無料化?」するのは筋が通っている

Appleはクラウド化に向けて大きく前進する?

AppleがMobileMeを無料化するという噂が流れているようです。第一報を報じたのはMac Rumorsのようですが、私は、iPhone 3G Wiki blogさんmaclalala2さんの記事で知りました。

Appleのこれまでの動きは、MobileMeを有料化していた、iPod/iPhone/iPadに対して母艦を必要としたという点で、クラウド化に対して今ひとつちぐはぐでしたが、近い将来MobileMeが本当に無料化されるとしたら、これで一本筋の通った形になるでしょう。

MobileMeが無料化されたらどう変わるのか? いくつか予想してみたいと思います。

1)母艦が必要なくなる
Mac/Windowsといった母艦が必要なくなり、MobileMeが「母艦」になる可能性があります。ただし、その前提として、現在欠けているピース──つまり、無線LANによる同期──が埋められなければなりません。

2)iWork.comが統合される
今やほとんど忘れられているサービスとして、iWork.comがあります。現在、β版で、提供されているサービス自体たいしたことはありませんが(主としてiWorkファイルの共有のみ)、当然、このサービスは統合され、新しいMobileMeで提供されるサービスのひとつになるでしょう。

3)ソーシャルメディアになる
現在のMobileMeはソーシャルメディアの機能が不十分です。実際、Appleはこれまで自らソーシャルメディアを提供せず、iPhotoのおけるFacebook、Flickrとの連携にみるように、他のソーシャルメディアと連携するアプローチをとってきました。

しかし、MobileMeが無料化されれば、Mac/iPod/iPhone/iPadユーザは気軽にMobileMeを利用できるようになります。「Apple」という巨大なブランドによって束ねられたユーザ群はMobileMeという「場」に統合され、魅力的なソーシャルメディアになりうる可能性を秘めています。実際、iPhone OS 4.0に搭載されるソーシャルゲームプラットフォーム「Game Center」は、その方向性を示唆しているのではないでしょうか。iWork.comが統合され、さらに機能が付加されれば、文書共有サービスScribdと同様のサービスを提供することも可能になります。

もっとも、既存のソーシャルメディアに対抗しうるサービスを一気に用意するのは困難です。MobileMeが無料化された後、ソーシャルメディアとしての機能が少しずつ付加されていくと思われます。

4)コンテンツへのアクセス権だけを購入する時代が来る
コンテンツ保持者にとって、ダウンロード販売は諸刃の刃でした。例えば、音楽レーベル各社にとって、CDの販売減や違法ダウンロードに対する対策としてiTunes Storeの話に乗ったわけですが、コンテンツのデータがローカルのPCに保持されるという状況はレーベル各社にとって決して好ましいものではありません。

しかし、クラウド化が進めば、コンテンツのデータは常にサーバ側にあり、ユーザはそれに対するアクセス権だけを購入するという形態が可能になります。コンテンツ保持者のとって、これほど望ましい販売形態はありませんし、ユーザにとっても、ネットワーク接続環境がある限り、いつでもどこでもコンテンツにアクセスできるため、利便性が損なわれることはありません。

ただし、音楽だったらCDに残しておきたいというニーズは存在し続けます。コンテンツの販売形態は、コンテンツへのアクセスだけが可能なケース、コンテンツのダウンロードとアクセスが両方可能なケースといった具合に2つに分かれ、前者の価格は後者よりも安く設定されるのではないでしょうか。

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予想される主なシナリオはこんなところです。もちろん、予想の前提となっている「MobileMeの無料化」は単なる噂なので、ここに書いてきたことはまだ空想の域を出ません。

しかし、今年4月、Appleが第2四半期の業績を発表する際、Jobsは、「今年中にはさらに素晴らしい製品をいくつか計画しています。と述べています。「MobileMeの無料化」がそのなかのひとつだとしたら……ユーザにとってこのうえないプレゼントになることは間違いないでしょう。

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