【お知らせ】『プロ漢方』の機能・動作説明用動画の改訂版がYouTubeにアップ
水曜日, 8月 11th, 2010『プロ漢方』の機能・動作説明用動画の改訂版がYouTubeにアップされました。改訂版では、基本的な操作方法以外に、ver.2.0.0で実装された絞り込み検索機能の操作方法も解説されています。その動画を以下に埋め込んでおきますので、興味のある方はご覧ください。
『プロ漢方』の機能・動作説明用動画の改訂版がYouTubeにアップされました。改訂版では、基本的な操作方法以外に、ver.2.0.0で実装された絞り込み検索機能の操作方法も解説されています。その動画を以下に埋め込んでおきますので、興味のある方はご覧ください。
『プロ漢方』のver.2.0.0に実装された絞り込み検索機能を使うと、自身の知りたい情報を、より素早く知ることができるようになります。ここでは、絞り込み検索機能の主な使用例をご紹介します。
例えば、黄芩と黄連がともに含まれる処方(一般的には芩連剤)を絞り込むケースで説明します。
1)タブバーの「キーワード」ボタンをタップし、キーワード入力欄に「おうごん」と入力します。続けて、リスト中の「黄芩」をタップします。
なお、キーワード入力欄では、必ずしもすべての文字を入力する必要はありません。例えば、「おう」と入力すると、先頭が「おう」で始まるキーワードがリストアップされます。その中から「黄芩」を探しだし、タップしてください。
2)「黄芩」を含む処方がリストアップされています。この画面で、右上にある「絞り込み」ボタンをタップしてください。すると、絞り込み検索用の画面が表示されます。
3)キーワード入力欄に「おうれん」と入力し、リスト中の「黄連」をタップします。
4)処方リストが表示されます。これらが、「黄芩」と「黄連」をともに含む処方群です。
絞り込み検索機能を使えば、患者さんの自他覚症状を次々と入力することにより、それらの条件が満足される処方を絞り込むことができます。ここでは、絞り込み用のキーワードを変更する操作も含め、「認知症」「イライラ」「肩こり」「貧血」をキーワードにした場合で説明します。
1)タブバーの「キーワード」ボタンをタップし、キーワード入力欄に「にんち」と入力します。続けて、リスト中の「認知症」をタップします。
2)「認知症」をキーワードに持つ処方がリストアップされますので、右上にある「絞り込み」ボタンをタップし、絞り込み検索用の画面を表示します。続いて、キーワード入力欄に「いら」と入力し、リスト中の「イライラ」をタップします。
3)「認知症」「イライラ」の両方をキーワードに持つ処方がリストアップされますので、右上にある「絞り込み」ボタンをタップし、絞り込み検索用の画面を表示します。続いて、キーワード入力欄に「かた」と入力し、リスト中の「肩こり」をタップします。
4)残念ながら、「認知症」「イライラ」「肩こり」のいずれをも満たす処方はありませんでしたので、別のキーワードを使って、再度検索してみます。右上にある「絞り込み」ボタンをタップし、絞り込み検索用の画面を表示してください。
5)絞り込み検索用の画面で、右上にある「編集」ボタンをタップします。
6)キーワード削除用のボタンが表示されます。「肩こり」の左側にある「-」ボタンをタップし、続けて、右はじに表示された「削除」ボタンをタップしてください。
7)この操作により、絞り込み検索の条件から「肩こり」が取り除かれますので、右上にある「完了」ボタンをタップしてください。
8)すると、「認知症」と「イライラ」で絞り込み検索した状態に戻ります。「肩こり」の代わりに「貧血」をキーワードにして再度検索してみましょう。
9)キーワード入力欄に「ひん」と入力し、リスト中の「貧血」をタップします。これにより「認知症」「イライラ」「貧血」をキーワードに持つ処方がリストアップされます。
10)ここでは、該当処方が加味帰脾湯ひとつに絞り込まれました。つまり、「認知症」「イライラ」「貧血」という3つのキーワード(症状)を同時に満たす処方は加味帰脾湯であることがわかります。
※症状の複合検索の結果としてリストアップされる処方は患者さんを診断する際の参考になりますが、その患者さんに対する適応処方とは限りません。その点はご注意ください。漢方医学では、適応処方を選択する際、あくまで患者さんの証を診ることが重要です。
『プロ漢方』がバージョンアップし(ver.2.0.0)、iPad、iOS 4に正式対応しました。当初から予告していたとおり、複数キーワードによる絞り込み検索機能も実装されました。
『プロ漢方』をすでに購入された方であれば、無料でバージョンアップしていただけます。iTunesを起動して「ライブラリ」の「App」を選択した後、「アップデートを確認」を実行してください。
また、『プロ漢方』に関心のある方は、以下のアイコンをクリックし、是非一度購入をご検討ください。
「『プロ漢方』にはどのような機能があるのか、どのように動作するのかをわかりやすく説明してほしい」といった声が発行元(株式会社オポチュニット)にいくつも寄せられていたようです。そうした声に応え、発行元が『プロ漢方』の機能・動作説明用動画をYouTubeにアップしました。その動画を以下に埋め込んでおきますので、興味のある方はご覧ください。
なお、Podcast「漢方あれこれ」は、6月17日に「第3回:更年期に効く漢方」が配信されています。漢方を以前から実践されている方にとっては基本的な処方が多いものの、とても興味深い内容となっていますので、こちらも併せてご参照ください。
医師・薬剤師向けの漢方処方ナビゲーション・ツール『プロ漢方』が、iPhone/iPod touchアプリとして登場しました。『プロ漢方』には、薬価収載された処方をはじめ、全344処方の解説が収録されており、弊社はこの『プロ漢方』の編集を担当しました。著者は、現在、社団法人日本東洋医学会副会長を務めておられる秋葉哲生先生です(発行所は株式会社オポチュニット)。
『プロ漢方』には秋葉先生の臨床エッセンスが詰まっており、医師や薬剤師の方々には、医療の現場ですぐにご活用いただくことができます。主な機能等詳しくお知りになりたい方は、発行所のお知らせの画面をご覧ください。内容・機能等をすでにご存じで、iTunes Storeからダウンロードされたい方は、以下のボタンをクリックしてください(iTunesが起動します)。
『プロ漢方』商品説明ページ(発行所のサイト)
縦書き文庫さんが開発されている、JavaScriptの縦組み用組版エンジン「涅槃」を使って、現行のEPUBファイルを縦組み表示できるかどうかを試してみました。実験に使用したデータは、青空文庫の書籍データをもとに、イーストさんが生成されたEPUBファイルで、「青雲(AoKumo) ◆青空文庫 on クラウド◆」で公開されている夏目漱石の『二百十日』です。
item
要素として追加(図2と図3)。</head>
の直前にタグを追加。その際、JavaScriptと画像が格納されているパスを、それぞれ現行のデータ構造に合わせて修正しました。また、「east.aozora.751.epub」にはもともとIPAモナーフォントが埋め込まれていたので、fontFamily
もipampmona
に変更しました。<div class="lp-vertical">
</div>
で囲みました(図4/今回はとりあえず本文のみで、図には</div>
タグが見えていません)。生成されたEPUBデータを見るリーダーですが、「涅槃」は、IE6-8、Firefox3.5-3.6、Google Chrome、Opera、Safari4でテストされているようなので、ブラウザに組み込めるEPUBリーダー──具体的にはFirefoxのアドオン「EPUBReader」で見てみました(図5)。タイトルまわりは何もしなかったので横組みのままですが、本文はちゃんと縦組みになり、ルビもきちんと表示されました。
ちなみに、同じファイルを「Adobe Digital Editions」で開いてみたところ、JavaScriptが無視され、横組み表示のままだったのに対して(図6)、「Caribre」では縦組み表示することができました(図7)。ただし、「Caribre」の方は書体が無視されているようです。
今回、実験を思い立った直接のきっかけは、現在のEPUB 2.0で縦組みがサポートされていない中で、なんとか縦組みを実現できないか? と考えたことです。現在、数多くのEPUBリーダーが世界中で開発されており、日本語表示も可能ですが、リーダーによって見え方の差が激しく、「これぞ決定版」と言えるようなソフトはまだありません。そうした中、ブラウザで縦組み表示を実現する組版エンジン「涅槃」があることをたまたま知り、「これを使えば、今でもEPUBファイルを縦組みで見られるのではないか?」と考えたわけです。
結果は、Firefoxのアドオン「EPUBReader」と「Caribre」が○で、「Adobe Digital Editions」が×でした。なぜ「Adobe Digital Editions」ではダメなのか? エンジニアではないので、技術的に詳しいことはわかりません。ただ、現行の環境においても、「涅槃」を使えば一部のリーダーソフトで縦組み表示できることがひとまずわかりました(iPadは持っていないので、iBookでは試すことができません。どうもすいません)。
国際電子出版フォーラム(IDPF)のEPUBワーキンググループには、現在、日本語組版に対する要望が提出されており、将来、EPUB 2.1(あるいはEPUB 3.0?)が策定された暁には正式に日本語組版に対応するのでしょう。しかし、EPUBのコンテンツ自体は、XHTML 1.1/CSS 2のサブセットにすぎないので、日本語組版に正式対応するのはHTML 5/CSS 3の正式策定を待たなければならないかもしれません。「それまで待つ」のはひとつの考え方としてありですが、現在利用できるものを活用、進化させながら積極的に動いていくこともありなのではないでしょうか。
追記:
講談社がAppleのiTunes Storeに申請した電子書籍のうち、約30%がリジェクトされたようです。それも、日本で許容される表現がAppleの基準では不可。詳しくはこちらの記事を参照してください。
以前、アダルトアプリがiTunes Storeから一斉削除されて話題になりましたが、日本でまったく問題ない表現さえ許容されないとなると、Appleファンの私でもさすがに頭を抱えます。iPadは日本でも大ブレイクしそうですし、日本においてマンガはiPadを購入する大きな動機づけとなるだけに、Appleのこの方針は残念でなりません。
Appleは、米国一律の基準を国別の基準に早く改めるべきです。文化は当然国ごとに異なるわけですから、一律の基準を押し付けるのは少々無理があると言えましょう。iTunes Storeで入手できるアプリは国別に違うわけですし、審査基準を国ごとに設けることぐらい造作もないはずです。そうしないと、出版社はiPhone/iPad向けにコンテンツを提供することに腰が引けてしまいますし、そもそもマンガ家の方々がiTunes Storeにコンテンツを出品しなくなるでしょう。
追記:
以前、hon.jpでこんな記事が流れました。
私は「検閲」に対して基本的に反対ですから、アダルト専用カテゴリの設置には賛成票を投じます。また、マンガの中には青少年向けとして不適切なものがありますから、これらもアダルト専用カテゴリに入れてしまえばよいでしょう。こちらについても、Appleには早急に対応していただきたいものです。
国際電子出版フォーラム(IDPF)が、EPUB 2.1のドラフト0.10を4月27日に公開していたようです。ドラフト0.8が公開されたのは4月6日ですから、この速さには少々驚きです。
ドラフト0.8では問題点が13項目列挙されていたのに対して、ドラフト0.1では14項目に増えています。以下、ざっと紹介しましょう。
1〜13はドラフト0.8でも言及されていた項目で、ドラフト0.10では14番目の項目が追加されたようです。
現在は問題点が列挙されている段階で、いつ仕様として公開されるのかははっきりしません。しかし、EPUBのワーキンググループは、その重要性が以前より高まり、世界的にも注目されていることを十分に認識していると思いますので、かなり早い時期にEPUB 2.1(場合によっては3.0?)を仕様として固めるのではないでしょうか。
参考:
※適当に意訳していますので、間違いがあるようでしたらご指摘ください。
それでは、前回の続き──つまり、「Wolfram|Alpha for eBooks」が電子専門書籍をどう変えるのかについてお話しします。もっとも、「Wolfram|Alpha for eBooks」は「Wolfram|Alpha」のAPIにすぎません。その可能性について語る場合、Wolfram|Alphaとは何か、どんなサービスなのかについて、お話しした方が早いでしょう。
Wolfram|AlphaはWolfram Research社が開発した、次世代の検索エンジンです。「検索エンジン」という表現はIT Mediaのニュースに従ったもので、Wolfram|Alphaは2009年5月に一般公開されました。
ただし、GoogleやYahoo!のような一般的な検索エンジンとは大きく異なった点があります。それは、キーワードを入力した際、それを含むWebページを検索結果として返すのではなく、キーワードに付随する回答を返すということです。そのため、ウィキペディア日本語版では、Wolfram|Alphaのことを「質問応答システム」と表現しています。イメージとしては百科事典──それも、質問するたびに回答がダイナミックに生成される動的な百科事典──と考えていただいた方が近いかもしれません。
試しに、googleとWolfram|Alphaで同じキーワードを入力し、その結果がどう違うのか、比較してみましょう。残念なことに、Wolfram|Alphaはまだ日本語に対応していないので、英語で「glutamic acid」(アミノ酸の一種、グルタミン酸)と入力してみます。
googleの方は、ウィキペディア(英語版)の「Glutamic acid」の解説ページがトップに表示され、ベルリン自由大学、eVitaminsというオンラインショップの「Glutamic acid」の解説ページ、「Glutamic acid」の画像(組成式、構造式等)といった具合に結果が続きます。一方、Wolfram|Alphaの方は、冒頭部分に「化合物のグルタミン酸のことを尋ねられたと仮定しました」(意訳しています)という断り書きがあり、以下、組成式、構造式、3D構造、IUPAC名、分子量、融点、沸点等々グルタミン酸に関連した定性的・定量的な情報が網羅されています。一般の人にとってあまり必要な情報ではありませんが、専門家にとっては重要な情報ばかりであることがおわかりいただけるでしょう。それも、情報が1画面に集約されているのですから、これほど便利なものはないというわけです。
Wolfram|Alphaが有用なのは、理系のみにとどまりません。例えば、「toyota」で検索してみると、トヨタ自動車の財務データや株価の変動グラフなど、投資家にとって有用な情報が一覧されますし、「highest mountaion in Japan」(日本で一番高い山は?)と入力すると、富士山を筆頭に、日本で高い山のベスト5が列挙されます。
そして、Wolfram|AlphaのAPI(「Wolfram|Alpha for eBooks」)が電子書籍ベンダー向けにリリースされるということは、このWolfram|Alphaの機能を、電子書籍から自由に呼び出せることを意味します。先ほどの例で言えば、従来の出版物の場合、グルタミン酸の立体構造式は書籍ごとに図としてトレースしなければなりませんでしたし、グルタミン酸の物性値なども、文字としてその都度入力する必要がありました。しかし、Wolfram|AlphaのAPIを活用すれば、これらの文字を入力したり、図としてトレースしたりする必要がなくなります。単にAPIでWolfram|Alphaの機能を呼び出せば済むことですから──。
Webの世界では、1つの画面が様々なサイトの情報の集約によって構成されていることが珍しくありません。「Wolfram|Alpha for eBooks」は、書籍の「Web化」を促し、書籍の作り方を変える可能性を秘めているのです。
追記:
前述したように、Wolfram|Alphaはまだ日本語に対応していないので、そのAPIが公開されても、日本語の電子専門書籍上での利用は限定的にならざるをえません。Wolfram|Alphaが早く日本語に対応することを切に望みます。