Archive for the ‘EPUB’ Category

【お知らせ】『CCSP公式問題集』が刊行されました

月曜日, 6月 24th, 2024

弊社が編集・制作に協力した『CCSP公式問題集』が電子書籍で刊行されました。

CCSPは、ISC2が提供する、クラウドセキュリティに特化したグローバル資格です。CCSPを取得するための対策本としては、2022年に『CCSP CBK公式ガイドブック』が刊行されていますが、本書はこれの姉妹本に位置づけられます。

実際の試験と同じ形式の問題が全部で850問収録されていますので、受験前の知識確認用として必携な書籍と言えます。

書名:『CCSP公式問題集』
著者:Mike Chapple/David Seidl
監訳・監修:西田晴彦/笠原久嗣/秋葉淳哉/小田部悟士/福井将樹
構成:ドメイン1 クラウドの概念、アーキテクチャー、設計
   ドメイン2 クラウドデータセキュリティ
   ドメイン3 クラウドプラットフォームとインフラストラクチャーセキュリティ
   ドメイン4 クラウドアプリケーションセキュリティ
   ドメイン5 クラウドセキュリティオペレーション
   ドメイン6 法務、リスク、コンプライアンス
発行所:NTTアドバンステクノロジ株式会社

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【お知らせ】『CCSP CBK公式ガイドブック』が刊行されました

金曜日, 8月 26th, 2022


弊社が編集・制作に協力した『CCSP CBK公式ガイドブック』が電子書籍刊行されました。

CCSPは、(ISC)2が提供する、クラウドセキュリティに特化したグローバル資格です。

クラウドコンピューティングは近年、コスト、拡張性、可用性など様々なメリットが評価され、それを導入する企業が急激に増えつつあります。一方、クラウドを標的としたサイバー攻撃も着実に増加しており、クラウド環境のセキュリティをいかに確保するかが、企業にとって重要な課題となっています。

本書は、クラウドサービスを安全に利用するために必要な知識が体系的に網羅されており、クラウド環境に特有のセキュリティを知りたい方にとってお勧めできる1冊となっています。興味のある方は是非ご一読ください。

書名:『CCSP CBK公式ガイドブック』
著者:Leslie Fife/Aaron Kraus/Bryan Lewis
監訳・監修:笠原久嗣/秋葉淳哉/小田部悟士/四本暁/福井将樹/西田晴彦
構成:ドメイン1 クラウドの概念、アーキテクチャー、設計
   ドメイン2 クラウドデータセキュリティ
   ドメイン3 クラウドプラットフォームとインフラストラクチャーセキュリティ
   ドメイン4 クラウドアプリケーションセキュリティ
   ドメイン5 クラウドセキュリティオペレーション
   ドメイン6 法務、リスク、コンプライアンス
発行所:NTTアドバンステクノロジ株式会社

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【お知らせ】エリザベス・カストロさんのEPUB本の翻訳書が刊行

金曜日, 12月 24th, 2010

エリザベス・カストロさんが今年の夏に上梓したEPUB本(“EPUB Straight to the Point”)の翻訳書が、今月、ピアソン桐原から刊行されたようです。

カストロさんは、EPUBに関する最新の情報を発信し続けるライターとして知られています。例えば、今月に入り、iPhone/iPad用のEPUBリーダー「iBooks」は1.2にバージョンアップしましたが、彼女は、自身のブログで、それに伴って向上した以下の機能を素早く報告してくれました。私がいつもお世話になっているブログのひとつです。

『誰でもわかる EPUBでiPad電子書籍を作る本』の原著の刊行時期は2010年8月ですから、当然、最新情報は網羅されていないでしょう。しかし、既刊の和書の中で、EPUBに関する実践的な内容が記載されているものはほとんどないだけに、その内容には期待したいと思います(私も早速注文しました)。

iPhone版iBooksでの写真や表の見え方

金曜日, 8月 13th, 2010

しばらく前に、写真や表を含むEPUBファイルがiPhone版iBooks(ver.1.1.2)でどう見えるかを試してみました。すでに広く知られていることかもしれませんが、メモ代わりにブログにアップします。

写真の見え方

使用したデータはカトキチさんの『6月のオススメレシピ』です。このオススメレシピは毎月、Podcastで配信されているようなので、興味のある方は上記サイトからどうぞ。

『6月のオススメレシピ』のEPUBファイルをiPhone版iBooksに取り込み、閲覧してみたのが以下の図1~2で、連続したページをキャプチャーしています。見てのとおり、最初の写真のキャプションが、1ページめと2ページめにまたがって表示されています。

図1

図1

図2

図2

文字をワンランク大きくして同一ページを見てみましょう。文字が大きくなった結果、1ページめの写真表示スペースが狭くなったので、今度は、最初の写真が1ページめと2ページめにまたがって表示されました(図3~4)。

図3

図3

図4

図4

表の見え方

今度は、医薬品の添付文書のデータをもとに、EPUBファイルを自作してみました。EPUBファイルにする前に、表(<table>タグを用いて組んだ表)が含まれているXHMTLファイルをMac OS XのSafariで表示してみたのが図5です。

図5

図5

EPUBファイルを作成し、同一の表が出てくる部分をiPhone版iBooksで見てみると、表の左右幅はiPhoneの画面サイズに応じて調整されました(図6~8)。しかし、表の天地幅は、左右幅が短くなるのに応じて増えますので、表が3ページにまたがって表示されました。

図6

図6

図7

図7

図8

図8

1つのHTML(XHTML)ファイルは、Webブラウザでは1つのウィンドウに対応し、文字量が多くても、長い巻物状のコンテンツを上下にスクロールすることにより、最初から最後までそれを閲覧することができます(図9・左)。しかし、iPhone版iBooksでは、iPhoneの画面サイズによって規定されているコンテンツ表示領域(紙の本で言えば版面[はんづら])を「1ページ」と見なし、この「ページ」単位で、長い巻物状のコンテンツを自動で分割しているようです(図9・右)。そのため、この分割ライン上に写真や表がのってしまった場合は問答無用で分割され、複数ページにまたがって表示されるものと思われます。

図9

図9

回避策

写真や表が複数ページにまたがって表示されると、読者にとっては見づらくてしかたありません。そこで、これを回避する策について考えてみます。

まず考えられるのは、青空文庫の改ページタグに相当するタグを使うことです。改ページを制御できれば、少なくとも1画面内に収まる大きさの写真や表であれば、複数ページへのまたがりを回避できます。

ネットで調べてみると、CSSのpage-break-{after,before}が使えるかもしれない、という情報が見つかりました。そこで、早速試しにやってみましたが、残念ながら、閲覧中のEPUBファイルの改ページは制御できませんでした。

CSSのpage-break-{after,before}はもともと、Webブラウザで閲覧している画面を印刷する際、強制的に改ページさせるプロパティです。このプロパティは、通常のWebブラウザでも印刷時にしか働かないため、閲覧中のEPUBファイルの改ページ制御には使えないものと考えられます。

次に考えられるのは、ある文字列に吹き出し表示のJavaScriptを埋め込み、読者がその文字列をタップした際、その中に写真や表を表示させることです。実際、Liza Dalyさんは、iPad版iBooksで、JavaScriptによる写真の吹き出し表示に成功していました(JavaScript and interactivity in iBooks : Threepress Consulting blog)。

しかし、このサイトからダウンロードできるサンプルデータをiPhone版iBooksにインストールしても、残念ながら、埋め込まれたJavaScriptは機能しませんでした。iBooksはユニバーサルアプリとして提供されていますが、ことJavaScriptの動作に関しては、iPad版とiPhone版とで違いがあるようです。

以上述べてきた点を踏まえると、iPhone版iBooksで写真や表を確実に1画面内に収めるには、

  • 章単位あるいは節単位等で1つのXHTMLファイルを対応させるのではなく、写真や表の出現箇所でファイルを分割する
  • <table>タグを用いて表組みすると、文字サイズが変更された際に表の大きさも変わってしまうので、画像ファイルにする

という方法しかないようです。

【実験】「涅槃」を使って、EPUBファイルを縦組みで表示できるか?

木曜日, 5月 13th, 2010

縦書き文庫さんが開発されている、JavaScriptの縦組み用組版エンジン「涅槃」を使って、現行のEPUBファイルを縦組み表示できるかどうかを試してみました。実験に使用したデータは、青空文庫の書籍データをもとに、イーストさんが生成されたEPUBファイルで、「青雲(AoKumo) ◆青空文庫 on クラウド◆」で公開されている夏目漱石の『二百十日』です。

作業手順

  1. 上述したサイトより、「涅槃」(現在の最新版は「nehan-1.0.5.3-rev2.zip」)と『二百十日』のEPUBファイル(east.aozora.751.epub)をダウンロード。
  2. 「nehan-1.0.5.3-rev2.zip」を解凍(生成されたフォルダは「nehan-latest」)。同様に、「east.aozora.751.epub」の拡張子をzipに変更して解凍(生成されたフォルダは「east.aozora.751」)。
  3. 「east.aozora.751」直下にあった「751.ncx」と「751.opf」を、「east.aozora.751」フォルダ直下の「OEBPS」フォルダ内に移動(この作業は特に必要ないですが、単に気持ちの問題で移動しました)。
  4. 「east.aozora.751」フォルダ直下の「OEBPS」フォルダ内に「js」フォルダを作成し、その中に、「nehan-latest」に含まれているJavaScriptファイルを移動。また、「nehan-latest」の「img」フォルダを「OEBPS」フォルダ内に移動。
  5. opfファイルを「OEBPS」フォルダ内に移動してしまったので、「container.xml」のopfファイルのパスを変更(図1)。
  6. 図1

    図1

  7. 「751.opf」ファイルを開き、「default.css」と「751.html」のパスを変更。また、「涅槃」から持ってきたファイル群は「751.opf」ファイルでパスも含めて指定しなければならないので、item要素として追加(図2と図3)。
  8. 図2

    図2

    図3

    図3

  9. 「縦書き文庫の開発日誌 カンタン!縦書きブログの作り方」の「step2」の指示に従って、コンテンツの本体のファイルである「751.html」の</head>の直前にタグを追加。その際、JavaScriptと画像が格納されているパスを、それぞれ現行のデータ構造に合わせて修正しました。また、「east.aozora.751.epub」にはもともとIPAモナーフォントが埋め込まれていたので、fontFamilyipampmonaに変更しました。
  10. 「縦書き文庫の開発日誌 カンタン!縦書きブログの作り方」の「step3」の指示に従って、縦書き表示したい部分を<div class="lp-vertical">
    </div>
    で囲みました(図4/今回はとりあえず本文のみで、図には</div>タグが見えていません)。
  11. 図4

    図4

  12. 「east.aozora.751」をZIPで圧縮し直します。その際の注意点は、横浜工文社さんが書かれているように、「metafile」をZIPアーカイブの先頭に含めるようにすることです(OCF 1.0の仕様書でそう定められている)。

生成されたEPUBデータをリーダーで見てみる

生成されたEPUBデータを見るリーダーですが、「涅槃」は、IE6-8、Firefox3.5-3.6、Google Chrome、Opera、Safari4でテストされているようなので、ブラウザに組み込めるEPUBリーダー──具体的にはFirefoxのアドオン「EPUBReader」で見てみました(図5)。タイトルまわりは何もしなかったので横組みのままですが、本文はちゃんと縦組みになり、ルビもきちんと表示されました。

図5

図5

ちなみに、同じファイルを「Adobe Digital Editions」で開いてみたところ、JavaScriptが無視され、横組み表示のままだったのに対して(図6)、「Caribre」では縦組み表示することができました(図7)。ただし、「Caribre」の方は書体が無視されているようです。

図6

図6

図7

図7

実験後記

今回、実験を思い立った直接のきっかけは、現在のEPUB 2.0で縦組みがサポートされていない中で、なんとか縦組みを実現できないか? と考えたことです。現在、数多くのEPUBリーダーが世界中で開発されており、日本語表示も可能ですが、リーダーによって見え方の差が激しく、「これぞ決定版」と言えるようなソフトはまだありません。そうした中、ブラウザで縦組み表示を実現する組版エンジン「涅槃」があることをたまたま知り、「これを使えば、今でもEPUBファイルを縦組みで見られるのではないか?」と考えたわけです。

結果は、Firefoxのアドオン「EPUBReader」と「Caribre」が○で、「Adobe Digital Editions」が×でした。なぜ「Adobe Digital Editions」ではダメなのか? エンジニアではないので、技術的に詳しいことはわかりません。ただ、現行の環境においても、「涅槃」を使えば一部のリーダーソフトで縦組み表示できることがひとまずわかりました(iPadは持っていないので、iBookでは試すことができません。どうもすいません)。

国際電子出版フォーラム(IDPF)のEPUBワーキンググループには、現在、日本語組版に対する要望が提出されており、将来、EPUB 2.1(あるいはEPUB 3.0?)が策定された暁には正式に日本語組版に対応するのでしょう。しかし、EPUBのコンテンツ自体は、XHTML 1.1/CSS 2のサブセットにすぎないので、日本語組版に正式対応するのはHTML 5/CSS 3の正式策定を待たなければならないかもしれません。「それまで待つ」のはひとつの考え方としてありですが、現在利用できるものを活用、進化させながら積極的に動いていくこともありなのではないでしょうか。

追記:

  • 縦書き文庫さん、イーストさん、横浜工文社さん、ありがとうございました。
  • きれいにレイアウトすることを目的とした実験ではないのでご了承ください。

EPUB 2.1ドラフト0.10が公開

土曜日, 5月 8th, 2010

問題点が1つ追加されたドラフト0.10

国際電子出版フォーラム(IDPF)が、EPUB 2.1のドラフト0.10を4月27日に公開していたようです。ドラフト0.8が公開されたのは4月6日ですから、この速さには少々驚きです。

ドラフト0.8では問題点が13項目列挙されていたのに対して、ドラフト0.1では14項目に増えています。以下、ざっと紹介しましょう。

  1. リッチメディアやインタラクティビティのサポート
  2. 日中韓などの言語に対するサポートの充実(日本電子出版協会が4月1日に公開した「Minimal Requirements on EPUB for Japanese Text Layout」が参考文献としてリンクされています)
  3. 雑誌や新聞などの個々の記事に対するサポートの充実
  4. メタデータに対するサポートの充実
  5. ページ単位のレイアウトを伝達する手段、ディスプレイサイズが異なっても1つの出版物で対応できる手段
  6. ナビゲーションサポートの充実
  7. 広く行き渡っているWeb標準との整合性の確保
  8. 注釈のサポート
  9. 数式のネイティブサポート
  10. 本に特異的な要素(用語集、リファレンス等)のサポート
  11. アクセシビリティのサポート
  12. 個々の産業が固有の拡張を加えられるようにするためのメカニズム
  13. 承認された国内・国際標準との関係性の明確化
  14. 広告を取り込むためのメカニズム

1〜13はドラフト0.8でも言及されていた項目で、ドラフト0.10では14番目の項目が追加されたようです。

現在は問題点が列挙されている段階で、いつ仕様として公開されるのかははっきりしません。しかし、EPUBのワーキンググループは、その重要性が以前より高まり、世界的にも注目されていることを十分に認識していると思いますので、かなり早い時期にEPUB 2.1(場合によっては3.0?)を仕様として固めるのではないでしょうか。

参考:

※適当に意訳していますので、間違いがあるようでしたらご指摘ください。